学会概要
花山耕三(川崎医科大学)
2024年11月より、坂井一浩前理事長の後任として本学会の理事長を拝命しました。就任にあたりご挨拶を申し上げます。
本学会は前身の義肢装具研究同好会、日本義肢装具研究会などを経て現在の形になっている伝統ある学会であり、日本義肢装具学会となってから40年が経過しました。本学会は義肢、装具、支援機器等に関わる多職種からなる学術団体です。
本学会は、道具にまつわる事項を中心課題としておりますが、それらを有効に用いるには供給する側の開発、製作は勿論のこと、使用する側の多くの職種の関りが必須です。多職種連携は本学会が追求すべきテーマであり、学会内の各職種の協働を促進するとともに関連する各学協会との連携を深めていきます。
長年使用されてきた義肢、装具については、創意工夫により、知識、技術、経験が積み重ねられており、多種多様です。その有用性をさらに磨くととともに、それに関わる職種に広く知っていただく必要があります。また、世の中の移り変わりは速く、医療や福祉の分野においても疾病構造や治療法の変化、様々な技術の進歩、新たな技術の導入などにより我々を取り巻く環境が変化しています。そのような中、それぞれの義肢・装具・支援機器の診療面、生活面での有効性を見定めていくことが我々の重要な責務であると思います。また、義肢、装具処方については医療制度、福祉制度が関与しますが、その制度のはざまで必要な人に十分対応できていない状況が少なくありません。どのようにすれば一人でも多くの必要とする人にこれらを届けることができるのかということにも関わっていければと思います。
本学会は、これらの機器を通じて患者、障害者を身体的、社会的に向上させることに向けて各職種と手を携えて進んでいきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
1968年7月に義肢装具研究同好会として発足した当学会は、リハビリテーションの中で幅広い領域を占める義肢装具・福祉機器などに関する様々な職種 ~義肢装具士・医師・理学療法士・作業療法士・エンジニア等~ の本邦唯一の集まりとして様々な活動を続けてきました。その後、1972年11月に日本義肢装具研究会と名称変更し、学術集会・研修セミナーの開催,学術誌の発行などに一層努力を続けてきました。
1981年度からは永年に亘り義肢装具発展のために尽くされた、故飯田卯之吉先生(元国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所長)の業績を偲んで飯田基金が設立されました。
この基金により、毎年、義肢装具・リハビリテーション工学の分野で特に優れた業績をあげた者に対する飯田賞の表彰制度が行われています。
1984年11月に名称が『日本義肢装具学会』となり、
2013年5月1日付けをもって『一般社団法人 日本義肢装具学会』へ移行致しました。